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競走馬の一生を左右する
重要な場面を知る人々の声を集めました。

第2回「なぜ馬は走り続けることが出来ないのか」

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競走馬の一生を左右する重要な場面を知る人々の  
声を届けるWEB連載企画

 競走馬は現役時に限らず、生まれてから死ぬまで常に競争の中で生きているー。

 引退後に余生を満足に送ることができない馬がいる一方で、引退すら迎える事ができない馬、つまり競走馬になれなかった馬や、競走生活を全うできなかった馬も多く存在します。この事実にも目を向け、その上で「競走引退後」を捉えると、また違った視点から引退馬支援を見つめ直すことができるのではないか…。

 この企画では、競走馬の一生を左右する重要な場面を知る様々な人に話を伺い、前述したように広い定義での「引退馬支援」についての情報を、毎月1話ずつ6回に分けて連載していきます。

【リンク】第1回「デビューを迎えられなかった馬たち」|映画『今日もどこかで馬は生まれる』公式サイト 

第2回はJRA馬主・塩澤正樹さん

 第2回は、競走馬を所有する馬主の1人にスポットを当て、競走馬を購買し走らせた時の損益分岐点、競走馬を所有した時の運営コスト、JRAから支払われる見舞金、所有馬を引退させる基準や引退後をどうするのかなど、これまで表にはあまり出なかった馬主の実情について、JRA馬主・塩澤正樹さんにお話を伺った。

 写真:JRA馬主・塩澤正樹さん(写真:本人提供)


 
塩澤さんが馬主になって、18年ほど経過した。その間、中央馬で20頭近く所有してきた。現在は現役馬が4頭のうち2勝クラスが2頭、3歳の1勝クラスが1頭、3歳未勝利が1頭。そして今年デビュー予定の2歳馬が2頭という内訳になっている。以前は地方競馬の馬主資格も有しており、岩手、名古屋、笠松、船橋、園田の各競馬場で馬を走らせていた。 
【リンク】塩澤正樹|馬主データ - netkeiba.com
 

 「元々僕は馬券を買うのが好きだったんです。ただ競馬場に行っても、ちゃんと座る場所がないから新聞敷いて座ったりしていて。それでぱっと上を見上げたら馬主席があって、いつかはそこに行きたいと思ったのがスタートでした。20年以上前にクラブ法人に出資して、次に馬主資格を取ってオーナーズに入り、すぐに1頭持ちになってセレクトセールに参加したという、そういうのの先駆けになるかもしれないですね」 

 

 職業は眼科医。牧場に頼まれて、自らが所有する馬の眼を診ることもあるという。 

 「獣医さんは馬全体のことはわかっているけど、目に特化はしてないので、こういう症状の時はどの薬を使ったらいいのか、アドバイスを求められることもあります。自分の馬が目を怪我したときには、診に行ってますよ」

 


勝てない馬に厳しい、現行のルール

 競走馬はだいたいが2歳でデビューし、順調に勝ち上がって大きな故障がなければ現役生活を継続することができる。けれども競走成績が頭打ちになったり、故障すると長く走り続けることが困難になる。走りつづけられたらその分命が繋がり、それが馬の支援になるという意見もあるが、実際に馬主をしている立場からするとどうなのだろう。

 

 「ちょっとでも走ってくれたらいいけれど、今のJRAでは成績の上がらない馬は早く引退してくださいというルールになっていますからね」

 

 

 確かに3歳の未勝利戦終了が、以前よりも早くなっている。
 

 「3歳の7月頃までに勝ち上がっていなかったら、ほぼほぼ終わり。少しでも長いこと走らせたかったら、地方に移籍してその年に2勝、次の年までかかるようなら3勝して中央に戻す。それでも1勝クラスではほぼ通用しないというのが現実です。だから弱い馬を持っていたら、お金がかかるからやめたいという人もいっぱいいるだろうし、その一方で弱くても持った以上は一走でも多く走ってもらって楽しみたい人の二通りいると思います。はじめは皆夢を見て俺の馬は強い、ダービーやと思っている人はいっぱいいると思うけど、現実は1つ勝つのが、めちゃくちゃ大変やからね。セレクトセールで4000〜5000万円する馬だって1勝できない馬もいるしね。馬主は今、個人で2500人くらいいて、以前何かで統計を見たけど、7割強の馬主が5頭以下の所有だったと思います。それやったら、1頭持ったら少しでも走ってほしいというのがあるでしょうね」



 では生産牧場によって、勝ち上がり率に差はあるのだろうか。表に大手8牧場の出走頭数、勝ち上がり数、勝ち上がり率が示されている。




(資料:生産者TOP|競馬データベース - netkeiba.com
 より、Creem Pan 調べ)


 「ノーザンファームは別格としても、他は遜色がほとんどないですよね。例えば20頭いたとして、1つ以上勝っている馬がそのうち5頭か6頭。2勝以上挙げている馬が2頭か3頭くらいだったはずで、それが現実やと思う」



 つまり活躍馬を多く輩出している大手の牧場でも、その世代の半数以上は勝てないまま3歳未勝利戦終了を迎え、中央競馬で走り続けることが難しくなる。

 

 また前述したように、3歳未勝利戦が終わる時期が年々早くなり、さらには3走連続して9着以下の成績だと出走できないという、競馬関係者の間ではスリーアウトと称される制度がある。また未勝利戦、1勝クラスでは2着から5着に入線した馬に、4週以内になら優先出走権が与えられている。例えば未勝利戦が終わりに近づいた7月、8月に9着以下になってしまったり、5着以内に入れず出走権利を得られなかった馬は、ほぼ中央競馬の競走馬登録を抹消という形を取ることになる。(まれに1勝クラスのレースに格上挑戦をする馬もいるが、未勝利馬は出走決定順が最下位のため、1勝している馬でフルゲートになってしまうと出走できない)。牧場の勝ち上がり率の説明にもあったように、今のシステムの中で中央競馬で生き残るのは相当厳しい。ただ地方競馬に移籍が可能な馬であれば、競走馬として走り続けることはできるが、塩澤さんが地方競馬でも馬を所有していた頃は、賞金面が厳しく途中で断念している。


 

 「岩手で馬を持っていた頃は、確か1着賞金が12万くらいやったかな。それではやっていけないですよ。今はコロナの影響で馬券が売れて賞金も上がってきているから、地方で走らせることもできないわけではないし、馬に関しては景気が良いから、地方競馬で走らせる馬が欲しい人も増えてきていて、中央で抹消されても一応受け皿はある。でもコロナが落ち着いてきて、景気が悪くなって馬の行き場がなくなったらどうなるんやろと思うこともあります」



 今は中央競馬も地方競馬も馬券の売れ行きが好調だ。馬もよく売れている。だがこの状況がずっと続くという保証もない。

 

 ちなみに塩澤さんは、自ら所有した馬は、牝馬であれば繁殖に、それ以外は自ら探した乗馬クラブに譲渡しており、現在どうしているかも把握しているという。

 

馬の損益分岐点

 中央競馬の場合、レースに出走させれば、馬主には出走手当が出る。月2回出走させると、出走手当により維持費は採算が取れる計算になる。だがなかなか思惑通りにはいかないのが競走馬だ。 

 「だいたいの馬主さんは、月2回走ってくれて維持費をペイできたらトントンでええわと考えるけど、そのトントンが難しい。馬主で黒字は5%くらいしかいないのと違うかな。中央だったら単年で黒字にはなっても、3年間で黒字の人は5%もいないと思います」



 過去の例でいうと平成29年度のセリの平均価格は1043万円、同じ年の馬の年間収入が1頭当たり723万円と、セリ値の7割ほどの収入だ。ここに馬の預託料など維持費がかかってくるので、さらに収支は厳しくなり、ほとんどの馬主の収支はマイナスのようだ。

 

 「馬の損益分岐点は、だいたい2000万円だと考えています。2勝でだいたい収入が2000万円くらいで、買った馬代金と維持費も何とかなるけれども、2000万円以上の馬を買うと、2勝しても苦しい。特別レースを勝ってくれると何とかなるけれども、馬代金が2000万円以上になると、3勝しても苦しくなってくる。やはり損益分岐点を考えておかないと、4~5000万円の馬を買ったらオープンクラスまでいかないと絶対マイナスになる。そこまで皆考えて冷静に臨むつもりでも、セリの雰囲気に負けて買ってしまう人も多いですね」

 


セリ会場で記念撮影をする塩澤さんと競馬関係者(写真:本人提供)



現役馬の維持費は年間約720万円

 前述したが、1頭につき2回出走できれば維持費は採算が取れると言われているが、競走馬を所有した場合の運営コストは具体的にどのくらいかかるのだろうか。JRAのホームページに「賞金シミュレーター」なるシステムがある。多岐に渡る手当てを条件別に組み合わせて、賞金を自動で試算してくれるツールだ。興味のある方は使ってみて欲しい。 

 

 「中央で1頭馬を持ったら、普通は年間4.2回くらいの出走になるけど、僕が持っている馬は1頭につき、年間7.5回くらい。健康であったり、故障しないのは大事だけど、いつどのレースに出すかということを考えてやっています。競走馬の運営コストは1頭あたり月約60万円で年間約720万円。まあざっくり800万円として、1000万円稼ごうと思ったら年間出走回数4.2回で、さあどうすんねんという話やね。出走手当は賞金によって違うけど、例えば3歳未勝利で1月か2月に9着、3月に10着、で4月に9着と3回走るとすると、1走につき出走手当が44万円ほどだから、3走で130万円くらい。9着以下が3回続くと、スリーアウトといって2か月の出走停止を食らうわけです。出走できるのは停止があけた7月で、1月から約6か月でおよそ360万円の維持費がかかっていて、そこから出走手当の130万円を引くと230万円。と、ここでこれだけマイナスになる。これが現実です」

 塩澤さんも毎年、かなりのマイナスになっているという。 

 「ちょっとしたビルが買えるくらい負けている。大負けしてるわ。でも馬主になって、セレクトセールで馬を買い出して13~14年たつけど、1回も勝たない年はなしやね。それでもかなり負けています。これまでで年間でプラスだったこともあるけど、とにかく経費がかかりすぎるわけ。今だってこれからデビューする馬がたくさんいて、牧場にも繁殖を含めて何頭もいますからね」



 繁殖牝馬に種付けをして、出産、育成を経て競走馬としてデビューするまでおよそ3年。それまでは維持費が出ていく一方となる。 

 「お母さんのお腹に11か月いる間も、母馬と仔馬代がかかると思わないといけません。種付け料はまた別にかかるし、プラスになるわけがないということやね。だからいきなりGIを勝ちました、毎年どんどん重賞勝ちましたとか、そうなると話は別ですけど、そんな人はなかなかいないですから」



 塩澤さんの所有している繁殖牝馬の中に、ナオミノユメがいる。この馬の妹にはGIホースのノームコアとクロノジェネシスがおり、現在注目される血統でもある。
 
 

 「ナオミノユメの子供はどうなっているかというと、1頭目のナオミエキスプレスが未勝利で引退、2頭目のディープブリランテ産駒のマケルナマサムネはまだ未勝利で、今のところ3着が精一杯。それを考えても自分の繁殖牝馬から生まれた子は、当たり外れは関係ないし、かなりリスクが高い。でもセリでは自分が見て買うことができます。つまりセレクトセールで当たりの馬を買うことができれば、毎年勝っているということやね。そりゃ自分の繁殖を持っていれば夢があるけど、当たりを引くのはすごく難しいと思うわ」



 無論、GIホースと同じ血筋だからといって、その馬が必ずしも活躍できるわけではない

JRAの見舞金制度

 これまでの話で、繁殖牝馬や競走馬を所有するのには、コストがかかり、リスクもかなり高いことがわかった。その一方で中央競馬に登録して競走馬になった場合、事故や怪我などで出る見舞金など、ある程度の補償もある。この見舞金制度について、塩澤さんの意見を聞いた。

 「1号見舞金はレース中の事故で死亡した場合630万円、2号見舞金は調教中の事故で死亡した場合で、615万円が支払われます。例えば2000万円で馬を買った場合、デビューするまでの維持費が1000万円以上だとして合計3000万円はかかっています。それでデビュー戦を勝って700〜800万円賞金が入ってきて、次のレース中に故障して死んでしまいましたとなった時に、見舞金の630万円という数字だけを見ると、割に合わない。それが自己生産馬の場合だと、例えばデビューまでに種付け料をはじめ、かかった経費が1000万円で、デビューして着外、着外ときて、3走目でレース中の故障で死んでしまって630万円の見舞金が出るとなると、それはちょっとありがたいかもしれない。だから一概には言えないですけど、それでも大幅にプラスになるということはないですね」



 また見舞金が支給されても、やりきれない思いが残ることもある。 

 「これまで2頭の馬に死なれているからよくわかるんやけどね。ナオミベガスという馬は、デビュー以来5着以下がなくて、多分オープンまで行けてただろうという馬でした。2着に入ったレースで骨折して、牝馬でしたから何とか繁殖にしようと思って、厩務員も一週間付きっ切りで世話してくれて。でも厩務員に、最後は泣きながらもう無理ですわ、先生って言われて、それで諦めたんやけど、この馬で見舞金貰った時は、(気持ち的にも)割に合わないと思いました」



 もう1頭はハシレマサムネ。3歳時に交流戦で勝利し、これからという調教中に故障して死亡した。 

 「馬の購入代金が2500万円で、2号見舞金の615万円が出ても、割には合わないです。見舞金はないと困るけど、貰ってもプラスになることは少ないですね。でも11号見舞金のように、レース中に骨片が飛んだというような骨折だと、3か月の休養で235万円の見舞金が出る。3か月休むので、1か月の維持費が60万円として180万円。3か月といっても、なんやかやで4か月かかるとみて、240万円の維持費がかかります。でも11号なら休んでいる間分は見舞金が出るので、まあ良かったということになる。だけどこれがトレセンではなくて、放牧に出た先の育成場で故障してしまうと見舞金が出ないので、丸々泣かなければならない。そう考えると11号見舞金はありがたいと思いますね」



 莫大な経費をかけて、競走馬を維持している馬主への補償が手厚すぎると批判する声も時々耳にする。考え方は人それぞれであり、今回示した競走馬運営にかかる経費や見舞金の額など実際の数字を見て、馬主の実情についてを各自で判断をしていただければ幸いだ。


そして訪れる、現役引退

 競走馬を所有していると、いつかは引退を決断する時が来る。その基準は当然馬主によって違うだろうが、塩澤さんはどこで線引きをするのだろうか。 

 「故障した場合は、まだ可能性があるのなら、かかるお金云々よりも走れるまで待つ。1年でも待ちますよ。1年後に戻って来られるでしょうと言われて待ったけど、戻って来れなくて引退させた馬もいるけどね。牝馬やったら6歳の春に繁殖入りさせることを考えるので、5歳の終わりか6歳の初めやわ。人に無償で差し上げる形を取ってでも、繁殖先は探します。最近、馬主仲間の村瀬オーナー所有のシホノコプントという馬をどうしようということになって、生産牧場の方に相談して、牧場探してもらって行き先が決まりました」

 

 これまで牝馬はすべて繁殖に上げている。だが牡馬の場合はまた基準が違ってくる。 

 「牡馬は怪我をしたり、成績が頭打ちになった時に、引退させて乗馬クラブに引き取ってもらうという感じですね。オトコギマサムネという馬は7歳まで使っていて、障害に転向させようと思ったら、脚を怪我してあかんようになって乗馬にもらってもらいました。はじめはノーザンファームしがらきで2年ほど若い子の練習用の乗馬として働いて、今は知り合いの乗馬クラブで会員さんを乗せています。地方の時のように持っている馬がたくさんいるわけではないし、中央にいる馬やから何とかしているというのもありますね。僕は譲渡先を探していますけど、ツテがないと乗馬にと思っても大変やと思います。いかに幅広く人と付き合っているかによるかもしれません。ただ騙す人もいて、酷い話もたくさん耳にします。自分の馬に関しては、責任を持って何とか行先を探しています」



 競走馬登録を抹消すると、繁殖、地方、研究など、その後の用途が記載されている。その中に乗馬という項目があるのだが、実際に引退後に本当の意味での乗馬になれる馬はひと握りとも言われている。故障で引退した場合は、経済的な面を考えても、その怪我を治すまで待ってくれる乗馬クラブはほとんどないだろう。また競走馬として走ってきたサラブレッドは、乗馬に向く馬が少ないとも言われている。よく聞くのは引退後の引き取り先からわりとすぐに畜産業者に渡るケースや、1度は乗馬としてトレーニングされたが、故障をしたり乗馬に向かないなどの理由で、畜産業者に流れることが頻繁にあるということだ。塩澤さんのように自分で責任を持って馬の行き先を探し、その後の状況も把握しているのはむしろ珍しいケースと言える

 

繁殖入りした愛馬と塩澤さん一行(写真:本人提供)

一つ勝てば次がある

 塩澤さんの馬主としてのこだわりは、まずは所有馬が1勝することだそうだ。 

 「ヒットの先にホームランがあると考えているので、まずはヒットを打つ、つまり1つ勝つのが目標。1つ勝てば次がありますから。だから地方交流にはめっちゃ出走させますよ。1つも勝たないのに、僕はその先については言いません」



 そして所有馬の引退後の行き先は、責任を持って探すというスタンスで馬主を続け、競馬に関わっている。最後に今回の取材を受けた理由について尋ねてみた。 

 「皆さんに競馬や馬主側の実情を知っていただいて、少しでも競馬に興味を持ってもらえたら、そして競馬ファンが1人でも増えたらという気持ちで受けました 

取材を終えて

 今回は馬主の立場からの、あまり語られてこなかった競走馬運営の実情を伺い、購買から維持までのコストや、現役引退の判断基準を語っていただいた。引退馬の責任を馬主に求める声が多くある中で、経済的な側面からも「なぜ馬は走り続けることが出来ないのか」を知ることができたのではないだろうか。そこには想像以上に過酷な競争社会があり、改めて競走馬は競馬という産業のもとに生きているのだと思い知らされた。


協力:塩澤 正樹

取材:片川 晴喜 

文:佐々木 祥恵 

構成・監修:平林 健一 

著作:Creem Pan

次回予告

 競走馬の一生を左右する重要な場面を知る様々な人に話を伺い、広い定義での「引退馬支援」ついての情報を連載するこの企画。 

第3回は8月1日の公開予定で、馬の仲介業者に、お話を伺いました。 

 

テーマは「走り終えたあとの分岐点」 

 

 競走を引退した馬は、どのような経緯・判断のもと、どのような用途へ進むのか。繁殖、乗馬、食肉、など、その選択肢は複数にわたる。 

行く末のカギを握る仲介業者が語る、引退馬の実情とはー。