1月15日から京都みなみ会館で
映画「今日もどこかで馬は生まれる」のロードショーが
スタートしました。
前日の14日には京都府でも、
新型コロナウイルス感染拡大防止のための
緊急事態宣言が発出され、
映画館は収容率50%以下での営業を
余儀なくされています。
以前にも増して厳しい状況の中、
万全の対策のうえで上映してくださっている
京都みなみ会館のスタッフの皆様に、
そして、この映画を観るために足を運んでくださった皆様に、心から感謝申し上げます。
本日17日の上映後に、
監督の平林がリモートで舞台挨拶を行い、
約20分間にわたって、この映画をつくった経緯や思い、
引退馬の課題についてお話ししました。
その一部を抜粋してご紹介します。
この企画を考えたのは2017年の初めごろ。当時勤めていた広告映像制作会社での業務がマネジメント中心になり、現場に出て作品を作りたいというモヤモヤした気持ちが生まれ、業務外で「自分が作りたい作品を作ろう」と思ったのがきっかけです。
小さい頃から父の影響で大の競馬ファンだったのですが、17、18才ぐらいの時にインターネットを通じて引退競走馬のその後について知り、大きなショックを受けました。しかし、競馬を楽しみたい自分もいて、引退馬に思いをはせる気持ちに長い間ふたをしていたのですが、「自分が作りたい作品を作ろう」と決意したタイミングで、再び引退馬への思いがあふれてきました。リサーチをするなかで、引退馬の課題解決に向け一筋の光となるようなジオファームの存在とその取り組みを知り、「今ならポジティブに描くことができるのでは」と思い、クラウドファンディングで多くの方からの支援をいただいて、この映画の制作が実現しました。
この映画制作でいちばん難しかったのが食肉センターの撮影です。全国各地で打診したものの、50件以上、断られ続けました。撮影させていただいた新潟県長岡市営食肉センターがちょうど民営化するタイミングだったことと、長岡市のフィルムコミッションが過去に「ある精肉店の話」というドキュメンタリー映画を制作していたことから、本作にも理解を示していただき、取材を許可してくださいました。JRAの取材も大変でしたが、ご許可をいただけたのはひとえに引退馬支援協会理事の沼田恭子さん、美浦トレーニングセンター調教師の鈴木伸尋先生のお力添えのおかげです。
映画をご覧になった方から、馬の「命の重さ」についてご質問を受けることがあります。僕は、牛も豚も鶏も、命の重さは同じだと思っています。しかし、一般的に、馬(サラブレッド)は「競馬を走るために生み出されている」と認識されてはいますが、「走るために生み出されて、その役目を終えたら食べられる」とは認識されていません。それが「食べるために生み出されている」という共通認識がある牛・豚・鶏とは明確に違う点です。サラブレッドは生きている間、ファンの思いを背負って走り続けます。その期間があるから、引退後に屠畜されることについて、拒絶反応を示す人が出るのだと思います。
私たちはこの映画の普及を軸にした引退馬支援のムーヴメント創出という目標を掲げているので、今後もその目標達成に向けて行動していきます。詳しい活動内容については公式サイトやSNSをぜひチェックしてみてください。映画のご感想もお待ちしています。
京都みなみ会館での上映は
1月28日までです。
この機会にぜひ、
劇場の大スクリーンでご覧いただけましたら幸いです。
Creem Pan 一同
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